「あれー?ディスタですかー?」 その声に陶然となっていた美しい囚人たちは暢気なレポーターの声にはっと我を取り戻した。 「魔王ディスタカルト・・・!?なぜここに!?」 魔王という脅威がもう一人現れたことにより、パニックが生じる。しかし大部分の声に反して、ごくごく少数派の声も存在した。 「浮いてる!?」 という声である。その声は主にレポーターに近い位置にいる三人から発せられた。なぜその声が発せられたのかは、三人の言葉を聞けば大体の者は理解するだろう。 「少年。なぜ宙に浮いている?」 「それ、少年が自分で浮いてるの?」 「ここでは魔法は使えないはず・・・いや、魔王なら・・・可能か?」 そう、少年は空中になんの足場もなしに直立していた。本人もなぜ立っていられるのかよくわからないらしく、片足を上げてみたりしゃがんだりしている。 「いくら君でも、水の中に落ちてまで魔物と戦うつもりはないだろう?」 再び、魔王の声。以前洞窟の中でインタビューした時は薄暗くて見えなかった美貌がはっきりと見える。魔王ディスタカルト、レポーター曰くディスタは自らも中空に浮かびながらゆっくりとレポーターの前に下りてきた。 風になびく青銀の長い髪。すらりと伸びた手足。 「何日ぶりかな?人間」 聞いているだけで意識がぼうっとするような蟲惑的なハスキー・ボイス。そして、人の心を魅了するその美貌。白皙の頬。描いたような眉、切れ長の瞳。すっと通って美しい鼻梁、瑞々しい唇。その眼差しだけで人の心をざわめかす。その場にいる全ての人間の目を奪っておいて、魔王は優雅に微笑んだ。 「あー、ディスタですかー。何でここにいるんですかー?」 しかし、中には魔王ディスタカルトに引き込まれない者たちもいた。 「魔王め・・・・・・くそ、今ここに険があれば!」 「何のつもりだ、魔王ディスタカルト!」 「くそっ!武器があれば!」 武器があれば、と憤る者たち。 「キレーイ。でもあたしには愛しいダーリンがいるのよね」 「あたし、もうちょっと真面目で不器用そうな男が好みだわ。でも、魔王は魔王で魅力的ねえ」 「セクシーで素敵な人だったって言ったら旦那が妬くかしらね」 夫と熱愛中の人妻たち。 「あれが女だったらなあ・・・・・・女だったらなああああああああああ」 「アレは男だあれは男だアレは男だしっかりしろ僕あれは男だ僕に男に手を出す趣味はないはずだ」 「ふっ・・・魔王に貢がせるってのもいいわね・・・でも魔王ってお金持ってるのかな・・・うーん顔は好みなのになー」 と頭を抱えてなにやら悩んでいる者たち。 そして、 「この、人を誘惑する魔力・・・まさかインキュバスか?いや、男の外見をしているということはサキュバスか。しかし王国の資料にはインキュバスやサキュバスが魔王になった例など載っていなかったが・・・・・・しかし凄いな」 「ほほう、アレが魔王ディスタカルトか。少年を助けたという点からして気まぐれな性質はかなりのものととっていいのだろうな。ふむ・・・・・・おい王子、あの魔王がインキュバスというのは本当か?」 「早く家に返せー俺は帰って寝るんだー」 という色事に鈍すぎる、もしくは全く興味がない暢気な者たち。 その他の数百人の美男美女達は魔王に見惚れていて微動だにしない。 「ラジオで昨日、フォークトゥリが言っていただろう?俺のところの馴染みがウィザーレルに連れ去られてね。しょうがないから取り戻しに来たんだ。天使と、かわいい召使をね」 「天使?天使なんかいるんですか」 「天使なんかとは何だっ!」 高い声が背後から浴びせられた。 「ほら、そこにいるだろう?」 魔王が指差した先は牢獄の中。 不機嫌そうに座る一人の少年。 「へー。アレが天使ですかー」 「アレとは何だ失礼な!」 再び反応して鋭い声を突き刺す少年は、金色の髪、空色の瞳を持っていて、彫刻めいた美しさを持っていた。人心を揺さぶり惑わす美貌のディスタカルトとは対照的で、十代前半の幼い外見ながらも誇り高い矜持を感じさせ、人心に感銘を呼び起こす。 「しかし美人な坊ちゃんですね」 しかしその彫刻の如き美しさは、その両眼に宿る苛烈な怒りによって生き生きとした精彩を与えられて打ち消され、また別の、生きる者としての美を打ち出していた。 「ところで天使の名前はなんですか?」 「さあ。僕って呼んでるけど」 「誰がしもべだ!私の名は聖天使ティティエルだといっているだろう!」 怒りに燃える天使は神々しく、畏怖に値するだけの何かがあった。 しかし。 「じゃあ天使はなんかピーチクパーチクウザイので置いといて、ウィザーレルの魔王もといセクハラスケベ魔王さんですか?がいなくなっちゃったのでかわりにディスタに色々聞きたいと思います。ただし基本的なことは前に聞いちゃったので俺の趣味オア興味で第一問!」 天使をきっぱりさっぱり無視してディスタに向き直るレポーター。天使に含まれる要素の何かが気に障ったようである。ここ渓谷の魔王ウィザーレルは好色家で気が短い事で有名であるが、このレポーターも気の短さでは負けてないんじゃないかと囚われの麗人たちは思った。 「さっきの飛んでった迷惑なニーチャンが魔王だとして、何で怪我してたんですかー?みっともなく逃げてるように見えたのは気のせいでしょうか否か!さあどっちでしょう皆さん!」 「ああ、召使と天使を返せって言ったら嫌だって言うものだからつい殺りたくなっ・・・切り裂いちゃってね。おまけにいい気になって「暫く城に留まれ」とか言うものだからつい風穴開けちゃってね。全く、とんだ馬鹿だったよ」 微笑したまま、ついうっかり、といった口調でなんでもないことのように答える。最後の一言は、少し苛立たしげに。それにもっともらしく頷くレポーター。 「そーですね、それはもう殺るしかありませんね。ところで天使はともかく、召使ってどの人ですか?」 「そこの黄色の髪の子とその隣の赤い髪の子だよ」 へえー、と感心したような無意味な声を上げてレポーターがそちらを見ると、紺青の髪の青年の両隣にそれらしき少年が二人いた。 「魔王様!ヴィンを忘れてますよっ!」 「ディー様―。ヴィンが落ちこんじまったじゃないスか!」 と、何やら責めるような口調で魔王を見る。 「あ」 とそこでディスタは思い出したように手を優雅に動かし、落ち込んでいる青年を指差した。 「あと、そこの青っぽい髪の彼だよ」 「忘れてたんですか・・・・・・なんか可哀相ですね」 にっこりと悪びれた様子もなく微笑う魔王から紺青の髪の青年に視線を移して、なんだか哀れむような口調でレポーターが言うと、魔王はまた悪びれた様子もなくあっさりと答えた。 「彼は優秀でそつがないわりに印象に残りにくくてね」 同情まじりのレポーターの言葉と魔王の言葉に反応してか、青年が二人を見やった。魔王ほどではないにしても、周囲の麗人たちの中でも群を抜いて秀麗な顔立ちが妙に虚ろな表情を浮かべている。 「・・・今度こそ本当に忘れ去られたかと・・・・切腹しようかと思いました」 生きた屍の如き声が発せられると、少年二人が慌てふためいて慰める。 「ヴィン!思い出したんだしさ!いいじゃん切腹しなくて!!切腹なんて痛いよ!」 「誰だヴィンに切腹なんて教えたの!まさか魔王様ですか!駄目ですよ教えちゃ!」 矛先を向けられた魔王は残念ながら、と肩をすくめて答えた。 「いや、教えたのはこの間街に行った時に偶然会った男だな」 「誰っスかそいつ!オトして貢がせて破滅させてやる!」 即座に復讐を誓う赤い髪の少年に、黄色い髪の少年が大真面目な顔で言い放つ。 「馬鹿、違う!素っ裸にして体中に馬鹿と書き殴った挙句王城前の大通りに緊縛して放置がいい!」 「その格好のまま川流しって手もありますよー」 「その格好のまま野ざらしはどうかな」 「顔が二度と元の顔に戻らないような殴り方を教えてやろうか、魔王の召使とやら」 「おおっ姐さん人間の癖に話分かるじゃん!」 「是非とも教えて下さい師範さん」 「みんな過激ねえ」 レポーター、王子、師範まで混ざっての復讐案に、女将があらあらと呆れた視線を向けている。すると落ち着いたのか、ヴィンが顔を上げた。 「その、皆さん。本当に切腹はしませんから落ち着いてください」 いつもの表情なのだろう、冷静で理知的な顔でヴィンが場を区切った。 「切腹を教えてくださったのはフォークトゥリの先代魔王様ですから、皆さんが今仰ったことは実現不可能です。諦めてください」 「あー・・・フォークの親父さんですかー。じゃあ無理っぽいですねー。なんか嵌められる人じゃなさそうですし」 残念そうに、とてもとても残念そうに溜め息をつくレポーター。 その視線の先では、白皙の頬を怒りで紅く染めて、眦を吊り上げてレポーターを睨む天使。何か言葉を叩きつけてやろうと思っていることは明白だが、怒りのあまり言葉が出てこないらしい。 「おやー、これはこれは。ワライカワセミのごとく喧しい事この上ない、神の御遣い様じゃあありませんか、どしたんですかー、もしかしてさっきからずっとそのままですか、それは悪いことを。あんまりちっちゃいので視界に入ってませんでしたよー」 にこやかに毒を吐くレポーターに、天使がとうとう激昂する。 「きっ、貴様!よくも、よくもこのような侮辱を!神を何と心得るか!」 「何もしてくれない詐欺師だろ」 即座に返った言葉に、周囲の空気が一瞬、停まった。 レポーターの天使を見る目は驚くほど冷たく、吐き捨てるように言い切ったその声音もまるで凍てつく氷のようだった。常に飄々として、人をおちょくったようなノリを崩さなかったレポーターの変貌振りに、ラジオを通してその冷ややかな空気を感じた聴衆も戦慄した。 師範が切れ長の目をすうっと細め、王子が神妙な顔で、女将が驚いてレポーターを見つめる。魔王は薄く笑って少し意外そうに、しかし面白そうにそれを眺め、彼の召使達は目を瞠っていた。 「まあ神様はともかく天使って神様のお遣いでしょう?もうちょっと威厳あったほうが良いんじゃないですかねえ天使サマ」 レポーターの飄々とした笑みが戻ると同時に、唐突に時が動き出した。これらの発言からレポーターは世界中の一神教信者達から熱烈な敵意を買う事になるのだが、それはまた別のお話。 半ば呆然としていた聖天使ティティエルは新たな侮辱に身体を震わせる。 「なっ・・・・!なっ・・・・!?貴様・・・っ!」 やはり言葉が出ないらしい天使のまわりに、宥める口調で若者達が集まる。 「落ち着いてください、天使様。真面目に聞いたら疲れるだけですよ」 「あのレポーターには何言っても無駄だと思います。魔王にもタメ口聞いちゃってるくらいだし、相手にしないほうがいいですよ」 「天使様、とりあえず落ち着いて下さい」 「てんしさまはなんでつかまっちゃったのー?」 たどたどしい口振りの少女がひょこりと顔を覗かせた。よく似た顔立ちの少年が慌てて口を塞ぐ。どうやら兄弟であるらしい彼は「ああああ姉がすみませんっ!」と叫んで頭を思いっきり下げた。 「何故、捕まったのか、だと・・・・・・・・?」 しかし少年の努力も報われず。少女の純粋な疑問は真っ直ぐにナイーブな天使の心に突き刺さり、結構な致命傷を食らわせたのだった。正確には既にできていた傷に塩をすりこむという、追い討ち同然の傷を。曰く、何故天使が魔王に捕まっているのか、という事の?末を。 「その忌々しい魔王どもの長、魔天の城に住む反逆者を天界に召せと神が仰られたのだ。その命を受け、私を含め五人の天使が魔天の城へ向かった」 押し殺した声音で、しかし自分自身に確認するようにゆっくりと語る天使。そこまで言って言葉を途切れさせた天使に続きを言わせる隙なく、横から声が割り込んだ。 「そしたらあっさり返り討ちに遭って捕まっちゃったんだよねー。おまけに二人はあっさり自決したし一人はあっさり捕まったし、最後の最後まで抵抗してたのって二人だけだったじゃん。君と、あともう一人だけ。しかもそのもう一人っていうのは天界の罪人でしょ?」 明らかにからかう口調で黄色い髪の少年が追い討ちをかける。塩をすりこまれた傷口にからしをすりこむようなような言に、周囲の若者達が一様に唇に人差し指を当てた。静かに、というジェスチャーを一斉にやられて黄色い髪の召使は苦笑する。 「そうなんですか?ディスタ」 「概ねその通り。私としてはもう一人の、天界の罪人だとかいう方の天使に興味があったんだけど。アスロディークに取られちゃって」 「へーそーなんですかー。じゃあその魔王さんとこに行った時に会ってみたいですねー」 「その天使はきゃんきゃん五月蠅いからって押し付けられたのさ。全く面倒で」 なんかもう苛めの様相を呈してきた会話とは別のところで、王子や師範は鉄格子の棒に手をかけていた。 バカンッ 岩の割れる音が響いて埋まっていた岩ごと鉄の棒が外れる。 「えぇ!?怪力王子!?」 あえて王子しか怪力呼ばわりしなかったところにレポーターのどうでもいい心情がちらちら見え隠れしたが、周囲はそんなレポーターより王子の方に注目する。ここから逃げ出せるのか、という希望を込めて。 「いや・・・魔王の術が切れたようだ。前にやってみた時にはびくともしなかった」 いやそれってどっちにしろ怪力なのでは・・・と呟いたレポーターの声を掻き消すように王子の背後から破壊音が重なる。 どがしゃんっ 「なるほど容易いな。こうまで簡単に壊れるとは思わなんだ」 牢の奥、王子が帰りがけに壊してくれと言った鉄の扉に蹴りを入れた体勢のまま独りごちた師範が、構えを解いて大破した鉄扉を岩壁から無造作に捻り取った。 「うわ、怖ぇぇ・・・ラジオの前の皆さん、今師範の姐さんが鉄の分厚い扉をブッ壊しました。一撃です。一撃ですよ。凄いです。恐いです。これではいくら美人でも相手がいないんじゃないでしょーか。まず絶対にカカア天下決定です。つか、恐くて嫁さんになんか貰えないんじゃないでしょーか。絶対そうです。」 ぼそぼそとマイクに向かって喋るレポーター。と、風を切る音がした。 ヒュオッ! 「どわっ!?」 レポーターが顔を仰け反らせた目の前を、鉄の棒がものすごい勢いで通り抜けていった。対岸の岩壁に突き刺さってそちら側の牢の麗人たちを怯えさせながら、師範の顔には妙に怖い笑顔が張り付いている。 「・・・・・・・何か聞こえたような気がしたのだが・・・・・・私の気のせいであるのかな?なあ少年」 「ははははははははははそうに決まってますよあははははは目の前を鉄の棒が凄い勢いで飛んでっても事実はかか変えられませんしねえぇぇぇ〜〜!!」 ぎぎぎぎぎと機械音が鳴りそうな動作で師範の方を向くレポーター。その頬には冷や汗が滲み出ている。 「ふむ。そうか・・・・・・いい度胸だ。」 と言って今度は鉄扉だったはずの金属塊を掴む師範。 「あー!ウソですゴメンなさいそれは投げないで下さいっていうかオレ死ぬ―――――――ッ!?」 投げられた巨大な質量の危険物を間一髪で避ける。鉄塊はそのまま危険な速度で魔王にぶつかりそうになるが、これまた素早く避けた魔王の後ろの岩壁にぶつかって轟音を立てる。白い岩壁に罅が入り、パラパラと落ちる石片と共に派手な水しぶきをあげ水中に沈む鉄塊。水中にいる魔物がさっと群らがるが、食べられるものではないと知ったからか、群がるのと同じくらいの速度で散開した。牢の中にいた麗人たちにも水飛沫はかかり、ずぶ濡れになった麗人たちはまさに水も滴るなんとやらだったが、今はそんな色気溢れる麗人たちに見とれている事態ではなかった。 「おお・・・・危ねえ・・・・・鉄の塊が俺とディスタに当たるところでした」 そう、魔王を攻撃するところだったのだ。あっさりと言われたその事実に、ラジオを聴いていた人々も現場に遅れて硬直した。魔王を攻撃した、とラジオを通して全世界的に知れた今、魔王たちと人間との全面戦争が始まるかもしれない、などと強迫観念めいたことを考える者が存外に多い為だ。息を呑んで人々が見守る中、レポーターと師範を面白そうに眺めていた魔王は視線に気付いて言った。 「ああ、お構いなく。どうぞ続けて」 ―――最も、そんなことを考えるのは人間だけで、肝心の魔王側は全くその気がないことはこの言からも明らかだったが。 笑いの滲むその声音にレポーターが憮然とした声を出す。 「これ以上やってても疲れるだけなんでもうやめますよ。んじゃ、さっさとこの人たちを逃がしますか。」 ようやくこの異常な事態から解放されるとあって、ほとんどの囚人達が安堵の表情を浮かべるが、同時に多少の落胆を浮かべる顔も限りなく多かった。美貌の人間たちばかりが集った一種極楽のようにも思われる眺めが消えるのを惜しんでいるのは一部の変人とレポーターだけだったが、多くは魔王ディスタカルトとの別れを思ってだった。 それほど多くの人間を魅了した魔王は、しかし大勢の麗人たちの密やかな熱意の篭った視線を気にかけるでもなく、鉄格子を外す作業に従事している師範と鉄扉の奥から奪われた装備を探している王子、それを興味深げに見ているレポーターを眺めていた。 「王子、装備は見つかったのか?一人黙々と鉄の棒を抜いているのは何か哀しいものがあるぞ」 「待ってくれ、服が面倒で・・・・・・」 「そんな気取った服を着ているからだ。そもそも仮にも王族が一人で服を着られるわけがないだろう。適当でいいから来い」 「夜会の最中に攫われたんだ。他国の王族じゃなかった分良かったと言うべきなんだろうな。普段着ならこんなに手間取らないんだが・・・」 「王子さんの普段着って何か気になりますねえ。普段どんなもの着てるんですか?」 「軍服だ。夜会くらい宮廷服を着ろと言われて嫌々ながら着たんだが、そういうときに限って魔王が来る。帯刀はしていたけど」 「待て、私は一国の王子が自分一人で服を着られるという異常な事態にかなり驚いているのだが」 「何で王子様が一人で服を着られると変なんですか?」 慣れない夜会服に苦戦しながら、王子は苦笑した。 |